赤ちゃんには、
生まれたその瞬間から生きるための能力が備わっています。
ママのお腹の中で生きていく為の事前訓練を沢山していたのです。
これら全てを誰に習うことなく、自分で学習するのです。
とても不思議で、まさに人間の神秘です。
新生児特有の不思議な能力があるお陰でこの世界で行きていけるのです。
それでは、赤ちゃんにどのような能力が備わっているのか見ていきましょう。
赤ちゃんは産まれてすぐに産声をあげますがこれが意味するのは「肺呼吸が上手くいった」と言う事です。
ママのお腹からこの世界に生まれ出た瞬間に、
肺で空気を取り込み吐き出します。
呼吸のプログラムにスイッチが入った瞬間に産声をあげるのです。
生まれた瞬間に泣かない赤ちゃんは危険などと言われますが、
これは肺呼吸がうまくいってない事を意味します。
羊水の中で胸郭運動(きょうかくうんどう)として沢山練習していたので、
スムーズに肺呼吸をする事が出来ます。
産道の中は酸欠状態になっています。
酸欠状態を何とかくぐり抜けてようやく外に出た赤ちゃん。
ママのお腹の中は暗く落ち着いた空間でした。
外に出た瞬間、多くの人や照明に照らされ今まで見たことの無い世界が広がっています。
赤ちゃんにとっては初めての体験なので産声には驚きも含まれているかもしれません。
原始反射の一つに、「吸啜(きゅうてつ)反射」と言うものがありますが、
赤ちゃんは誰も教えていないのにおっぱいを吸いミルクを飲む事が出来ます。
口の中に入ってきたものを吸うのがこの反射です。
乳首だけでなく、指でもなんでも吸い付こうとします。
眠りながら自分の唇を吸っている事もあります。
追求反射(ついきゅうはんしゃ)と言うものもあり、
これは口角やほっぺたに、指や乳首が触れると追いかけて探すように口に含もうとする行為です。
赤ちゃんは、この反射があるおかげで、
誰にも教わらなくても、母乳や哺乳瓶のミルクが飲めるのです。
「把握反射(はあくはんしゃ)」と言う原始反射の1つがあります。
これは、赤ちゃんの手に指や物が触れると、
指を曲げて握るような反射をする動作の事を言います。
この把握反射があるからこそ、「赤ちゃんが指を握ってくれた!」となるのです。
この原子反射は足の裏にも見られます。
赤ちゃんが意識して行っているわけではなく、勝手に握ってしまうのです。
握られた方は嬉しい限りですが、実際はこう言う理由だったのです。
赤ちゃんには「原子歩行」と言う反射機能があります。
これは、新生児を抱きかかえて立たせ、
足を床につけて前かがみの体勢をとらせると、左右交互に踏み出し動作の事を言います。
赤ちゃんこの世に生を授かった瞬間から
「歩くよう」脳にプログラミングがされているのです。
赤ちゃんの頭の骨と骨には、隙間があります。
赤ちゃんの頭を触ると、やわらかくてペコペコとへこむ箇所が2箇所あります。
初めて触ったママやパパは驚く方がいますが、
これは新生児特有の物なので気にする必要はありません。
頭の構造は、
平たい5枚の骨が組み合わさって出来ています。
新生児はまだ骨と骨とがぴったりくっついていない為、合わせ目に隙間が開いています。
大きい方を「大泉門」と呼び、
小さい方を「小泉門」と言います。
1歳半頃には次第に閉じていき、徐々に柔らかさはなくなっていきます。
「モロー反射」と言う、
大きな物音などに、反応する反射があります。
びくっとして両手を伸ばし、その後抱きつくような動作の事を言います。
初めてみるママやパパはこの動作をみて、「助けを求めている」ように感じるかもしれません。
新生児はまだ脳が発達していないので、人間が自分の意志で体を動かす「随時運動」が出来ません。
モロー反射は
生後3ヶ月近くになると脳や中枢神経が成熟して行くため、4ヶ月までには自然に消えていきます。