ラマーズ法 呼吸方法や効果・やり方・タイミングなど

(ラマーズ法の効果ややり方を学ぼう)
(ラマーズ法の効果ややり方を学ぼう)

出産の代表的な呼吸法を紹介します。

 

良く知られているのは「ラマーズ法」と言う呼吸方法です。

 

このラマーズ法は実は奥が深く、ただ「ヒッヒッフー」と呼吸をすれば良いわけではありません。

 

使うタイミングや正しいやり方を学びましょう。 

 

出産時には落ち着いた呼吸がとれるようにしておく事が大切です。

 

それだけで陣痛や出産の痛みを緩和する事が出来ますよ。


ラマーズ法とは

(ヒッ・ヒッ・フーで有名なラマーズ法)
(ヒッ・ヒッ・フーで有名なラマーズ法)

ラマーズ法とは、

 

呼吸法と補助動作によりリラックスした状態で出産する方法の事です。

 

出産を意識した女性なら一度は「ヒッ・ヒッ・フー」と言う呼吸方法を聞いた事があるかと思います。

 

まさに、あの音通り呼吸します。

 

ヒッ・ヒッ・フー」とテンポよく呼吸する事で、

 

呼吸に集中が出来て痛みの感じ方をやわらげる事が出来ます。

 

もう少し詳しくラマーズ法について見てみましょう。

 

ラマーズ法の歴史

(ラマーズ法はシベリアの方で誕生した呼吸法)
(ラマーズ法はシベリアの方で誕生した呼吸法)

昔からの「良い」とされている物は、方法や姿を変えても現代にも残ります。

 

ラマーズ法もその1つです。

 

先人が「良い」と考えた呼吸法が現代にも広まっています。

 

尚、このラマーズ法は日本だけでなく、世界中の多くの人が採用している自然分娩の方法です。

 

元々、ラマーズ法はロシアのシベリア地方で誕生しました。

 

その後、ヨーロッパを経由しアメリカで広くひろまってから日本に伝わってきました。

 

日本で広まったのは、1960年代の事です。

 

この頃の日本は、すでに医者のもと、出産をおこなう分娩が一般的でした。

 

更に昔の日本では自宅分娩が普通でした。

 

医者が出産に立ち会うと言う事がなかったのです。

 

今では考えられませんね。

 

話を戻しましょう。

 

日本でラマーズ法が全国的に広まったのは

 

1978年の朝日新聞「お産革命」と言う記事の連載が発端です。

 

当時の日本にはインターネットやスマートフォンなどありませんから、情報を受け取る手段は「新聞」がメインでした。

 

この記事をみた夫婦が次々と「自然分娩で産める」、「良いお産」として認識し、次々と広まっていったのです。

 

その後1990年代にラマーズ法が医師に認められはじめました。

 

現代ではラマーズ法は出産時には当たり前のように取り入れられていますが

 

医師の理解を得るには時間がかかったようです。

 

ラマーズ法のやり方

(正しい知識で出産に取り組もう)
(正しい知識で出産に取り組もう)

ラマーズ法は

 

呼吸に「ヒッ・ヒッ・フー」と言う特殊な動作を加える事で、胸式呼吸に集中する事が出来ます。

 

これにより

「陣痛の痛み」、「分娩時の痛み」を緩和できる効果があります。

 

出産の進行によっては呼吸のリズムを変えることもあります。

 (陣痛の間隔、子宮口の開き具合に応じる)

 

ラマーズ法の呼吸方法ですが、基本的には胸式呼吸です。

 

鼻から息を吸い、口から吐くのが基本となる事を覚えておきましょう。

 

はじめるタイミングは、陣痛の始まりと終わりです。

 

ラマーズ法を使うタイミングを順番にみてみましょう。

 

ポイント

「ヒッ・ヒッ・」の時は

 

テンポよく、声にだして「ヒッ・ヒッ」と声に出しながら呼吸をしましょう。

 

「フー」の時に息を吐きますが

 

息を吐くときは十分に吐くようにします。

 

この時に身体の力を緩めるようにしましょう。

1、準備期(子宮口0~3cm)

お産がスタートする初期段階です。

 

この時はまだラマーズ法は取り入れません。

 

準備期は子宮がまだ開いていないのでとにかくリラックスする事を目的とします。

 

陣痛の痛みもそれほど強くありませんので落ち着いた呼吸法とリズムをとります。

 

手順は

 

1、鼻から空気をゆっくり吸い(3秒間)

 

2、口からゆっくり空気を吐き出します(3秒間)

 

大きく空気を吸い込み、しっかりと時間をかけて吐き出す事を意識して下さい。

 

陣痛の痛みも強くなく、痛みに耐えられる間はこの呼吸法を使います。

 

いきむ前の緊張をほぐし、身体の力をゆったりと抜く事を目的としています。

 

2、進行期(子宮口3~8cm)

子宮口が徐々に開き始めました。

 

陣痛による痛みが徐々に強くなり、

 

先ほどの呼吸リズムをとるのが辛くなってきます。

 

そうなったらここで初めてラマーズ法を使います。

 

基本は「ヒッ・ヒッ・フー」のリズムをとりながら呼吸します。

 

まず鼻から息を吸います。

 

「ヒッ・ヒッ」の部分は少し強めに声をしっかり出してリズムをとり、

 

「フー」で長めに口から息を吐き出します。

 

痛みによって呼吸のリズムをうまくとれなくなる事があります。

 

どんな時でも「ヒッ・ヒッ・フー」と言葉に出して息を吐く事を意識して下さい。

 

特に、「[フー]の部分は長めに息を吐くんだ。」と覚えていれば自然と呼吸をする事が出来ます。

 

3、極期(子宮口8~10cm)

遂に子宮が大きく開きます。

 

「いきみ」をスタートする直前の段階です。

 

この時点で、陣痛はきつくなっています。

 

「ヒッ・ヒッ・フー」の呼吸リズムを強く意識しましょう。

 

陣痛の波がありますので、それに合わせて

 

「ヒッ、ヒッ」と短く2回吐き、

 

「フー」と深く長めに意識して息を吐き出します。

 

多少のいきみならこの呼吸で逃す事ができます。

 

「いきみ」の指示がでるまでラマーズ法を行な「いきみ」と「痛み」をうまく逃がすようにしましょう。

 

4、娩出期(いきみスタート)

出産もいよいよクライマックスです。

 

この後、遂に赤ちゃんとご対面できます。

 

その前にしっかりと「いきみ」をして赤ちゃんを押し出しましょう。

 

医師や助産師から「いきみスタート」のサインが出たら遂にいきみ始めます。

 

この時目を閉じていきむと顔に力が入ってしまいます。

 

目を閉じて顔に力をいれると顔が真っ赤になると思いますが、

 

そうならないように、あくまでもいきみは下半身に集中して下さい。

 

いきむ時は、目を開けておくと顔に力が入らず下半身に集中できます。

 

この時はもうラマーズ法は使いません。

 

いきみに集中します。

 

いきみ方は、陣痛の波に合わせ2回深呼吸し、

 

3回目で息を止め、お尻に力を入れぐっと赤ちゃんを押し出す感じでいきみます。

 

陣痛がない時は深呼吸をするなどしてリラックスしましょう。

 

医師や助産師からいきみを止めるように指示されたら、

 

いきまず、深呼吸に集中してください。

 

犬が苦しい時には「ハッハッハッ」と短く息をしますが、あのようなイメージで息をしましょう。

 

赤ちゃんの頭が出てきたらもういきむ必要はありません。

 

身体をリラックスさせれば赤ちゃんはスルッと自然に降りてきます。

 

深く「フーフー」と深呼吸をする事で赤ちゃんが降りてくる手助けになりますので深呼吸に集中しましょう。

 

これで出産は完了です。

 

妊娠から出産までは約10ヶ月と10日です。

 

長いですが赤ちゃん誕生の感動は想像を絶する物があります。

 

その時を出来るだけ落ち着いて迎えられるように十分な知識を持って臨んで下さい。

ラマーズ法の注意点


(多くの妊婦が落ち着いてラマーズ法が出来ない)
(多くの妊婦が落ち着いてラマーズ法が出来ない)

ラマーズ法の注意点や失敗について解説します。

 

まず、お母さんの呼吸が止まってしまうと

 

赤ちゃんにも酸素が届かなくなってしまう事を覚えておいて下さい。

 

いざ分娩台に乗ると、

 

急に陣痛の辛さや恐怖からパニックになってしまい呼吸がうまく出来なくなってしまったと言う妊婦は沢山います。

 

痛みが辛くて呼吸が止まってしまうと赤ちゃんも酸欠状態になってしまいます。

 

ママは息を止めずに落ち着いた状態で呼吸できるようにしておきましょう

 

初めてラマーズ法を行うのが分娩台に乗った時だと、やり方を忘れてしまう事があります。

 

自宅で何度もイメージトレーニングしてあらかじめラマーズ法の練習を反復して行っておくと良いでしょう。

 

24歳ママ
24歳ママ

「ラマーズ法には注意点があります。

 

それは、本番は痛くてパニックになる事です。

 

全然うまく行えませんでした。

 

「ヒッ、ヒッ、」と息をするはずが、「ヒーーー!!」と

 

雄叫びのような叫び声になってしまいました。

 

助産師さんの声掛けがうまかったので

 

何とか正気を取り戻せたのですが、もっと家で練習をしておけば良かったと後悔しています。」 

▼ソフロロジー

どうしても出産は不安だと言う方へ。

 

呼吸法やイメージトレーニングで痛みを和らげる方法があります。

 

その代表的な例が「ソフロロジー」です。

 

妊娠中からお産の恐怖心を取り除くトレーニングを行ったり、リラックスする訓練をする事をソフロロジーと言います。

 

イメージトレーニングを積む事で、

 

陣痛の痛みのエネルギーを、赤ちゃん誕生の喜びに変えてくれます。

 

ソフロロジーのグッズ(CDや本)が沢山あるので参考にしてみてください。

 

今では多くの妊婦や病院が取り入れてます。

33歳ママ
33歳ママ

「妊娠中にソフロロジーのCDを聞いてイメージトレーニングをしていたお陰で、

 

お産の時に落ち着いて息を吐くことが出来ました。

 

初産で、お産に対して怖いイメージを持っていましたが当日は落ち着いて出産が出来ました。

 

少しでも怖いと思う方や、不安がある方にはオススメです。

 

特に初産の方はソフロロジーに取り組んだ方が良いと思います。」 


ラマーズ法の弛緩法(しかんほう)


(出産中はずっといきんでいるわけではない)
(出産中はずっといきんでいるわけではない)

弛緩(しかん)とは、「ゆるむ事」、「たるむ事」を意味する言葉です。

 

出産(お産)時には、意識をしていなくても緊張して力がつい入ってしまうものです。

 

そんな時に弛緩法を使えば、リラックスして緊張がほぐれます。

 

心身ともにリフレッシュされるので「いきみ」の合間や陣痛が遠のいてしまった時に使います。

 

効果としては、自律神経のバランスを整え、陣痛の痛みを緩和してくれます。

 

ラマーズ法の弛緩法ですが、

 

身体全体に力を入れてから一気にパッと力を抜きリラックスします。

 

特に力を入れるのは

 

背中

肩回り

 です。

 

力を入れて一気に抜く動作が身体をリフレッシュさせます。

 

この時ゆったりとした呼吸で力を抜きます。

 

緊張するときはする、力を抜く所は抜く事で切り替えができます。

 

出産の時に役立つテクニックなので是非覚えておきましょう。