お産が始まるとママの体や赤ちゃんの様子はどのように変わっていくのでしょうか。
大まかな過程がわかっていれば、落ち着いて出産に取り組めるでしょう。
出産の進み方は人それぞれです。
時間がかかったり、すんなり産まれる場合もありますが、
出産プロセスは大きく分けて、
・「分娩第1期」
・「分娩第2期」
・「分娩第3期」
の3つのステージに分かれます。
陣痛が繰り返される間に子宮口徐々に開いていき、
赤ちゃんも少しずつ骨産道(赤ちゃんが通る骨盤の内側)を降りて産まれて来ます。
子宮口が全開大になったら、いきみましょう。
ここまで来ると、後は赤ちゃんと対面するだけです。
初産の場合は、
10分間隔の陣痛からカウントして産まれるまでに12時間かかると言われています。
お産が開始されたら、
陣痛と陣痛の間に全く痛みがない時間があります。
その数分間に、
しっかり呼吸して酸素を取り入れたり、身体を休めたりすると、体力が回復して再び陣痛に挑むことが出来ます。
赤ちゃんを楽に産むのに必要な要素は3つあります。
1つ目は、「陣痛の強さ」
2つ目は、「産道の広さと柔らかさ」
3つ目は、「赤ちゃんの大きさと回旋」 です。
ママが出産の辛さに耐えている時に、赤ちゃんも一生懸命頑張っています。
2人の共同作業のこの3つの作業によって出産が進みます。
それぞれを順番に見ていきましょう。
陣痛は、
子宮が収縮して赤ちゃんを子宮の外に
押し出そうとする時の痛みです。
この力があるからこそ、赤ちゃんは外へ出ることが出来ます。
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産道の広さと柔らかさもとても大切な要素です。
骨産道が広がり、
軟産道(子宮の出口から膣、外陰部と、赤ちゃんが通る道)
が柔らかくなる事も重要な条件です。
広がれば広がるほど、赤ちゃんは楽に外に出る事が出来ます。 |
赤ちゃんは出産時には、
産道や骨盤の形に合わせて頭や体を回転させながら降りてきます。
頭の骨の継ぎ目を重ねあわせる事で頭を小さくします。
体が大きい赤ちゃん程、外に出てくる時に大変になります。 |
赤ちゃんが産まれる第一ステップの状態を見ていきましょう。
【陣痛】 10分間隔
【子宮口】0~3cm開大
赤ちゃんは現在、横向きで骨産道に入って来ます。
顎を引き、後頭部が骨盤にハマるような体勢になっています。
【陣痛】 2~5分間隔
【子宮口】7cm開大
骨盤に入った状態のまま、
徐々にママの背中の方に顔を向けるように体を回転させています。
【陣痛】 1、2分間隔
【子宮口】約9cm開大
破水が起こり、いきみたくなります。 しかし、まだここでは、いきんではいけません。 |
体を回転させていた赤ちゃんは、
完全にママの背中の方に顔を向けます。
分娩第2期です。
ここから「いきみ」をスタートさせて良くなります。
その手順を見ていきましょう。
【子宮口】全開大
いきみをスタートさせます。
産道内に下降してきて、
赤ちゃんの頭が現れます。
はじめは出たり入ったりしていますが、
強い陣痛とともに絶えず頭が現れた状態になります。
赤ちゃんの頭が出ている状態です。
しっかりいきみましょう。
必要があれば会陰切開をします。
導尿をする事もあります。
頭が出たら再び横向きになり、
肩を片方ずつ出します。
両肩が出たら、お腹と足が出ていよいよ赤ちゃんが誕生します。
赤ちゃんが無事誕生した後、
3~5分後に軽い陣痛(後陣痛)が起こります。
これにより胎盤が剥がれ、ママの体から出ていきます。
卵膜などが残っていないかを確認し、
会陰や産道に裂傷がある場合は縫合します。
子宮の収縮を促すため、子宮収縮薬を投薬することもあります。
母体の様子を見るためにも、2時間は分娩台の上で過ごし、血圧や出血の様子を確認します。
赤ちゃんがママのお腹から出てしまうと
子宮が縮む為に、
軽い陣痛のような痛みを感じる事があります。
これが「後陣痛」です。
個人差はありますが、大抵は産後1週間程度で収まります。 |
最後にへその緒を切ってもらいます。
顔や体を綺麗にして、健康状態をすぐにチェックします。
無事赤ちゃんがママの元に来ました。
これから長い間人生を共にするかけがえない子どもです。
大切に大切に育てて行きましょう。