日本では5人に1人が帝王切開で赤ちゃんを産んでいます。
今回は帝王切開の種類や痛み、費用などについて解説して行きます。
お産中、突然帝王切開になる事もあります。
まずは知識として知っておきましょう。
帝王切開になるケースは、
妊娠中に経膣分娩が難しいと事前に判断された場合とは限りません。
お産がスタートし、急遽帝王切開に切り替わる場合もあります。
日本では5人に1人が帝王切開を受けているので誰にも帝王切開で出産をする可能性があるわけです。
帝王切開とは、
何らかの理由により、赤ちゃんが外に出てこれず
経膣分娩できない時、ママのお腹を切開して赤ちゃんを取り出す手術の事を言います。
妊娠中に特に目立った問題が無くても
いざお産本番で、予期せぬトラブルにより帝王切開になる事もあります。
妊娠中に担当医が、
通常分娩が難しいと判断して、
あらかじめ帝王切開を予定していた場合を
予定帝王切開と言います。 |
出産している最中に、
何らかの予期せぬトラブルがあって
急遽帝王切開を行う事を緊急帝王切開と言います。 |
それぞれの帝王切開になるケースを見ていきましょう。
予定帝王切開の場合は、まず妊娠中に予定日を決めます。
胎盤の位置や、赤ちゃんの位置などが原因で経膣分娩が難しいと判断された時には手術になります。
手術は原則として37週目以降となります。
逆子の場合、
経膣分娩を行うと赤ちゃんの頭が一番最後に出るために、
へその緒(臍帯:さいたい)が圧迫されてしまいます。
すると栄養や酸素が赤ちゃんに行き渡らなくなってしまいます。
多胎(双子や三つ子)の場合、
出産中に2番目に出て来る子以降の赤ちゃんの状態が悪化しやすくなります。
それを防ぐために、ほとんどのケースで帝王切開となります。
胎盤が子宮口をふさいでしまうような位置にある場合も帝王切となります。
子宮口が開いた時に
胎盤が剥がれ大出血を起こす恐れがあるからです。
40歳以上の女性の4人の1人は子宮筋腫と言われています。
米粒程度の大きさの筋腫も含めれば、ほぼ全ての女性が持っていると言われています。
その筋腫が子宮口をふさいでしまうような位置に有る場合は帝王切開での出産となります。
中には、赤ちゃんの頭がママの骨盤より大きい場合があります。
また、ママの骨盤に問題がある場合などもあり、
このような場合は、赤ちゃんが産道を通れないので
帝王切開となります。
妊婦が重度の高血圧になってしまうと、赤ちゃんに悪影響が出てしまいます。
その為、予定帝王切開が検討されます。
以上の6つのケースが予定帝王切開になる条件です。
次いで、緊急帝王切開になるケースを見ていきましょう。
妊娠中は目立った問題が無くても、
分娩直前や分娩中にトラブルが発生する事があります。
いざ、お産がスタートした時にのトラブルに対応する為に、
すみやかに赤ちゃんを取り出す為に、緊急帝王切開を行います。
どのようなケースになると、緊急帝王切開になるのか見てみましょう。
赤ちゃんの首に臍帯(さいたい)が巻き付いたり、
胎盤機能の低下が起こると、赤ちゃんは低酸素となります。
その場合は緊急帝王切開となります。
※臍帯=へその緒
赤ちゃんを出産する前に、
胎盤が剥がれてしまうと、ママと赤ちゃん共に危険な状態になります。
出産が長引くと緊急帝王切開となります。
例えば、
・陣痛が強くならない
・子宮口が開かない
・陣痛促進剤が効かない
などのケースもあります。
赤ちゃんは回転しながら産道を下って来ます。
産道を通過する時の赤ちゃんの体の回転が上手くいかないと、
出産が途中で止まってしまいます。
すると、赤ちゃんは圧迫され続け危険な状態となります。
そこで緊急帝王切開をして赤ちゃんを素早く取り出します。
臍帯(へその緒)が下がって来てしまったり、
赤ちゃんよりも先に
臍帯が外に出てしまうと、赤ちゃんに酸素が届かなくなり危険な状態に陥ります。
また、
子宮口が全開大になっていない時なども緊急帝王切開を行います。
軟産道(なんさんどう)とは赤ちゃんが通る道で
子宮口、膣、外陰部にかけての産道を言います。
ここの伸びが悪くなってしまう事を軟産道強靭と言い、このような状態になると緊急帝王切開を行います。
帝王切開を受ける方がやはり気になるのが「痛み」です。
これには個人差がありますが、
麻酔を行いますので痛みは然程感じません。
手術中は、麻酔が効いているので下半身が麻痺している状態です。
痛みを感じる事はほとんどないでしょう。
安心して頂いて大丈夫です。
帝王切開になったからと言って怖がる必要は全くありません。
むしろ、「すぐに赤ちゃんと対面できる!」くらい前向きに考えましょう。
帝王切開の費用は高額になると思っている人が多くいますが、
実はそこまで高額ではありません。
ただし、帝王切開をすると自然分娩よりも少し長く入院する事になります。
自然分娩の入院は産後4~7日程です。
帝王切開をした後は産後6日~14日程と言われています。
費用は入院費分が高くつきます。
分娩施設や病院により費用は異なりますが、
自然分娩+10万円程度と覚えておけば良いでしょう。
入院費込みで40万円で済む人もいますし、50万円かかる人もいます。
気になる方は
詳しくは病院などに問い合わせておきましょう。
予定帝王切開の場合は、
手術の前日に入院する事になります。
検査や手術の説明があり、同意書を提出して、夕食後は絶食となります。
緊急帝王切開の場合は、
医師から説明を受けた後、すぐに手術を行うケースがあります。
赤ちゃんとママの命を守るために帝王切開が必要と判断されたら誰にでも帝王切開を受ける可能性があります。
手術までの流れを抑えておきましょう。
まずはじめに麻酔薬を注入をします。
一般的に麻酔は3つあります。
・硬膜外麻酔 ・腰椎麻酔 ・全身麻酔
これのうちのいずれかを使用する事になります。
腰椎麻酔が一般的ですが、
硬膜外麻酔、腰椎麻酔を併用する場合もあります。 |
麻酔が効いてきたら
腹壁を切開し、子宮を切開します。
医師がママのお腹を押して赤ちゃんを取り出します。
切開してから赤ちゃんが産まれるまではほんの数分です。
全身麻酔をしていなければ赤ちゃんの産声もしっかり聞こえます。 |
胎盤を取り出し、
子宮内を綺麗にした後は縫合をします。
手術開始からおよそ1時間程で縫合まで終了します。 |
術後はママの健康状態が気になります。
問題がなければストレッチャーで部屋へ移動します。
導尿カテーテルが入っている為、トイレに行くことはできません。 |
長時間動かないでいると、
下肢の血流が悪くなり血栓症を起こす心配があります。
その為、 手術を受けた翌日から走行を開始します。
食事をとり始め、赤ちゃんのお世話も同時に開始しされ
経過が順調なら1週間程度で退院できます。 |